引張強度試験 (ヒッパリキョウドシケン)

引張強度試験とは、コンクリートが引っ張られる力に対して、どの程度耐えられるかを確認するための試験です。コンクリートは圧縮力には強い一方で、引張力には弱い性質があるため、引張強度を把握することは、ひび割れや構造性能を考えるうえで重要です。

コンクリートの引張強度試験は、コンクリートを直接引っ張って試験する方法だけではありません。一般的には、円柱供試体を横に寝かせ、上下から圧縮荷重を加えることで、供試体内部に引張応力を発生させて強度を確認します。この方法を「割裂引張強度試験」と呼びます。

割裂引張強度試験では、円柱形の供試体を試験機に横向きに設置し、供試体の上下から荷重を加えます。荷重が大きくなると、供試体の内部に引張応力が発生し、やがて供試体が割裂して破壊します。そのときの最大荷重をもとに、割裂引張強度を求めます。

コンクリートの割裂引張強度試験方法は、JIS A 1113に規定されています。JIS A 1113では、円柱形の供試体を横にして、上下から圧縮荷重を加えることで、割裂引張強度を求める方法が定められています。

割裂引張強度は、次の式で求めます。

引張強度 = 2P ÷(π・d・l)

ここで、Pは最大荷重(N)、dは供試体の直径(mm)、lは供試体の長さ(mm)を表します。試験体が破壊するまでに試験機が示した最大荷重をもとに、供試体の寸法を用いて引張強度を計算します。

一般的に、コンクリートの引張強度は圧縮強度に比べて小さく、圧縮強度のおよそ1/10〜1/13程度とされています。また、高強度コンクリートになるほど、圧縮強度に対する引張強度の比率は小さくなる傾向があります。

このように、コンクリートは引張力に弱い材料であるため、鉄筋コンクリートでは、コンクリートが主に圧縮力を負担し、鉄筋が引張力を負担する考え方が基本になります。引張強度試験は、コンクリート単体の引張に対する性質を確認し、ひび割れ抵抗性や材料特性を評価するために用いられます。

引張強度は、配合、水セメント比、単位水量、骨材の品質、混和剤、締固め、養生条件などの影響を受けます。特に水量や養生状態が適切でない場合、強度発現に影響し、試験結果にばらつきが生じる可能性があります。

生コン工場や試験室では、引張強度試験の結果だけでなく、圧縮強度試験、曲げ強度試験、スランプ試験、空気量試験などとあわせて、コンクリートの品質を総合的に確認します。安定した品質を確保するためには、試験による確認と、製造段階での配合管理・水量管理・表面水率管理を適切に行うことが重要です。

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