スランプ (スランプ)

スランプとは、まだ固まっていないコンクリートであるフレッシュコンクリートの軟らかさや流動性を表す指標のひとつです。コンクリートがどの程度変形しやすいか、施工しやすい状態かを確認するために用いられます。

スランプは、スランプ試験によって測定します。スランプ試験では、スランプコーンと呼ばれる円すい台形の器具にフレッシュコンクリートを詰め、コーンを引き上げたあと、コンクリートがどれだけ沈下したかを測定します。この沈下量を「スランプ」と呼び、一般的にはcmで表します。

スランプの値が大きいほど、コンクリートは軟らかく、流動性が高い状態を示します。反対に、スランプの値が小さいほど、コンクリートは硬練りで、流動性が低い状態を示します。ただし、スランプが大きければよいというわけではありません。施工条件や構造物の種類に応じて、適切なスランプを設定することが重要です。

スランプは、コンクリートの施工性に大きく関わります。スランプが小さすぎると、型枠内にコンクリートを充填しにくくなったり、締固め作業が難しくなったりする場合があります。一方で、スランプが大きすぎると、材料分離やブリーディングが起こりやすくなり、品質に影響する可能性があります。

スランプに影響する主な要因には、単位水量、水セメント比、骨材の粒度や表面水率、混和剤の種類や使用量、練り混ぜ時間、外気温、運搬時間などがあります。特に、砂や砂利などの骨材に含まれる表面水率を正しく把握できていない場合、実際の単位水量が配合からずれ、スランプのばらつきにつながることがあります。

生コン工場では、配合ごとに定められたスランプを満たすように、材料計量、表面水率補正、混和剤管理、練り混ぜ条件などを管理します。スランプは、荷卸し地点での受入検査や品質確認でも重要な項目であり、JIS A 5308においてもレディーミクストコンクリートの品質項目のひとつとして扱われます。

JIS A 5308では、荷卸し地点でのスランプの許容差が定められています。スランプは、購入者が指定した値に対して、所定の許容範囲内である必要があります。

具体的には、スランプ2.5cmの場合は±1cm、5cmおよび6.5cmの場合は±1.5cm、8cm以上18cm以下の場合は±2.5cm、21cmの場合は±1.5cmが許容差とされています。ただし、スランプ21cmで呼び強度27以上、かつ高性能AE減水剤を使用する場合は、許容差は±2cmとされています。

たとえば、指定スランプが18cmの場合、荷卸し地点でのスランプ試験結果は15.5cm以上20.5cm以下であることが求められます。指定スランプから外れると、施工性や品質に影響するだけでなく、受入検査で問題となる可能性があります。

また、スランプはスランプ試験によって確認するだけでなく、製造中のミキサー電力負荷などからフレッシュコンクリートの状態を把握する方法もあります。スランプ表示システムでは、フレッシュコンクリートの流動性を画面上に曲線グラフで表示し、練り混ぜ中の状態を確認しやすくします。

ミキサー電力値は、コンクリートの練り混ぜ状態や流動性を把握するための参考情報になります。配合番号と容量値の組み合わせごとにミキサー電力値を確認することで、製造中のスランプ傾向を判定し、品質のばらつきを抑えるための管理に活用できます。

流動性の高いコンクリートでは、スランプだけでなくスランプフローで状態を確認する場合があります。スランプフローとは、フレッシュコンクリートが広がる直径を測定し、流動性を評価する方法です。スランプ表示システムでは、流動性コンクリートのスランプフローを図形で表示することで、状態を視覚的に把握しやすくします。

スランプ管理システムを活用すると、ミキサー電力負荷の測定結果や判定結果を次バッチの補正に活用できるため、スランプのばらつきを抑え、安定した生コン製造につなげることができます。砂表面水率センサーなどと連動することで、骨材の水分状態を踏まえた水量管理にも役立ちます。

スランプは、コンクリートの施工性と品質を判断するうえで重要な指標です。適切なスランプ管理を行うことで、作業性の確保、材料分離の防止、品質の安定化につながります。

関連ワード
・スランプフロー
・ワーカビリティー
・単位水量
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・混和剤
・材料分離
・JIS A 5308

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