FAPC (エフエーピーシー)

FAPCとは、工場の製造現場や設備の制御装置など、産業分野で使用されることを想定して設計されたコンピュータシステムです。FAは Factory Automation の略で、FAPCは工場の自動化設備や制御システムで使用される産業用PCを指す用語として使われます。

一般的な事務用パソコンと異なり、FAPCは過酷な環境下でも安定して稼働することを重視して設計されています。工場では、塵埃の多い場所に設置されたり、24時間連続稼働が求められたりすることがあります。そのため、FAPCには、強力な放熱・空冷機構、堅牢な筐体、防塵・防滴設計、可用性を確保するミラーリングシステムなどが搭載される場合があります。

FAPCの大きなメリットは、産業用途に合わせた安定性と保守性です。メーカーによっては、部品や同等機種を長期間にわたって安定供給できる体制が整えられており、設備を長く使う工場にとって大きな利点になります。民生用PCはモデルチェンジが早く、数年後に同じ部品や同じ仕様の機器を入手しにくくなる場合がありますが、FAPCでは長期運用を前提にした製品選定がしやすくなります。

また、FAPCは長時間連続運転に強い点も特徴です。民生用PCの耐用年数が1〜5年程度とされるのに対し、FAPCではおおむね10年程度の使用を想定したものも多くあります。生産設備や制御装置では、パソコンの故障が設備停止や製造停止につながることがあるため、長期間安定して稼働できることは重要です。

一方で、FAPCにはデメリットもあります。一般的な民生用PCに比べて価格が高く、納品までに時間がかかる場合があります。また、堅牢性や拡張性を重視するあまり、用途に対して過剰な性能や不要な機能を備えた機種を選んでしまうと、コストが高くなる可能性があります。

そのため、FAPCを選ぶ際には、設置環境、必要な処理能力、入出力端子、接続する機器、連続稼働時間、保守期間、予備機の確保、将来の更新性などを確認することが重要です。費用を抑えるためにも、オーバースペックや不要な機能がないかを精査し、用途に合った仕様を選ぶ必要があります。

生コン工場では、計量操作盤、出荷管理システム、品質管理システム、車両管理システム、各種監視装置などでコンピュータが使用されます。これらのシステムは、製造、出荷、品質管理、設備監視に関わるため、安定稼働が求められます。特に粉じん、振動、温度変化、長時間運転などの影響を受けやすい環境では、FAPCのような産業用PCを使用することで、システム停止や機器故障のリスクを抑えやすくなります。

FAPCは、工場設備を安定して動かすための産業用コンピュータです。一般的なパソコンより高価になる場合がありますが、長期安定供給、連続稼働、堅牢性、保守性を重視する現場では、重要な選択肢となります。

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