高流動コンクリート (コウリュウドウコンクリート)
高流動コンクリートとは、通常のコンクリートよりも流動性を高めたコンクリートです。型枠内や鉄筋のすき間に流れ込みやすく、締固め作業を省略または軽減できることが特徴です。
一般的なコンクリートでは、打込み後にバイブレータなどを用いて締固めを行い、型枠内のすみずみまでコンクリートを充填します。一方、高流動コンクリートは、流動性が高いため、複雑な形状の部材や鉄筋量の多い箇所にも充填しやすくなります。
高流動コンクリートでは、スランプだけでなく、スランプフローによって流動性を確認することがあります。スランプフローとは、スランプコーンを引き上げたあとに、フレッシュコンクリートがどの程度広がるかを測定する試験です。コンクリートの広がりの直径を測ることで、流動性の大きさを評価します。
高流動コンクリートに求められるのは、単に軟らかいことだけではありません。高い流動性を持ちながら、材料分離を起こしにくいことが重要です。水を多くして流動性を高めるだけでは、粗骨材とモルタル分が分離したり、ブリーディングが発生しやすくなったりして、品質低下につながる可能性があります。
そのため、高流動コンクリートでは、高性能AE減水剤などの混和剤を使用し、単位水量を抑えながら必要な流動性を確保することがあります。また、粉体量、細骨材率、骨材の粒度、混和材、粘性、材料分離抵抗性などを考慮して配合を設計します。
高流動コンクリートは、鉄筋が密に配置された構造物、複雑な形状の部材、締固め作業が難しい場所、作業環境を改善したい現場などで使用されます。締固め作業を軽減できるため、施工の省力化や品質の安定化、騒音・振動の低減にもつながります。
一方で、高流動コンクリートは、配合や材料管理の影響を受けやすいコンクリートでもあります。単位水量、水セメント比、混和剤の添加量、骨材の表面水率、練り混ぜ時間、運搬時間、温度などによって、流動性や材料分離抵抗性が変化します。
生コン工場では、高流動コンクリートを製造する際に、配合計画書に基づいて材料を正確に計量し、混和剤や表面水率を適切に管理する必要があります。特に、骨材に含まれる水分を正しく把握できていない場合、実際の単位水量が変わり、スランプフローや材料分離抵抗性に影響する可能性があります。
高流動コンクリートは、高い流動性と材料分離抵抗性を両立させることで、施工性と品質の向上を目指すコンクリートです。適切な配合設計、材料管理、製造管理、施工管理を行うことで、複雑な構造物や施工が難しい現場でも安定した品質を確保しやすくなります。
関連ワード
・スランプフロー
・材料分離
・混和剤
・AE減水剤
・W/C(水セメント比)
・単位水量
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