PC(プレストレストコンクリート) (ピーシー)

プレストレストコンクリートとは、あらかじめコンクリートに圧縮力を与えておくことで、引張力に対する弱点を補ったコンクリートです。英語では Prestressed Concrete と呼ばれ、略してPCと表記されることもあります。

コンクリートは圧縮力には強い一方で、引張力には弱い材料です。梁や床版、橋桁、杭などの部材では、荷重がかかると曲げが生じ、部材の一部に引張力が発生します。この引張力によってひび割れが発生しやすくなるため、コンクリート部材では引張力への対策が重要になります。

プレストレストコンクリートでは、PC鋼材と呼ばれる高強度の鋼材を使い、コンクリートにあらかじめ圧縮力を導入します。先に圧縮力を与えておくことで、使用時に発生する引張応力を打ち消し、ひび割れを抑えやすくします。

プレストレストコンクリートには、主にプレテンション方式とポストテンション方式があります。プレテンション方式は、PC鋼材を先に引っ張った状態でコンクリートを打ち込み、コンクリートが硬化したあとに緊張力を解放して、コンクリートに圧縮力を導入する方法です。工場で製造されるコンクリート製品に多く使われます。

ポストテンション方式は、コンクリートを打ち込んで硬化させたあと、部材内に配置したシースなどを通してPC鋼材を緊張し、定着具で固定する方法です。橋梁や大型構造物などで用いられることがあります。

プレストレストコンクリートのメリットは、ひび割れを抑えやすく、長いスパンの部材や大きな荷重を受ける部材に対応しやすいことです。通常の鉄筋コンクリートに比べて、部材を軽量化しやすく、たわみを抑えやすい場合もあります。そのため、橋桁、床版、PC杭、梁、桁、タンク、コンクリート製品など、さまざまな用途で使用されます。

一方で、プレストレストコンクリートでは、PC鋼材の配置、緊張力、定着部、コンクリート強度、養生条件などを適切に管理する必要があります。所定の強度が発現する前に緊張力を導入すると、部材に不具合が生じる可能性があるため、強度発現の確認が重要です。

工場で製造されるプレストレストコンクリート製品では、早期に強度を発現させるために、早強セメントや蒸気養生などが用いられる場合があります。プレテンション方式では、脱型や緊張力の導入時期が製造サイクルに関わるため、圧縮強度試験などによって強度を確認しながら管理します。

プレストレストコンクリートに使用されるコンクリートでは、強度、耐久性、ワーカビリティー、単位水量、水セメント比、単位セメント量、骨材品質、混和剤、養生条件などが重要になります。特に高い強度や安定した品質が求められる部材では、材料計量や配合管理を正確に行う必要があります。

生コン工場やコンクリート製品工場では、配合計画書に基づいて材料を正確に計量し、所定の強度を満たすコンクリートを安定して製造することが求められます。プレストレストコンクリートでは、圧縮強度だけでなく、製品としての寸法精度、外観、PC鋼材の配置、導入力の管理も品質に大きく関係します。

プレストレストコンクリートは、コンクリートの圧縮に強い性質を活かしながら、引張に弱い性質を補う構造技術です。ひび割れの抑制、長スパン化、部材の軽量化、高耐久化に役立つため、橋梁やコンクリート製品など多くの分野で利用されています。

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