早強セメント (ソウキョウソメント)

早強セメントとは、普通ポルトランドセメントよりも早い時期に強度を発現しやすいセメントです。一般には「早強ポルトランドセメント」を指し、記号では H と表されます。

早強ポルトランドセメントは、セメント粒子を普通ポルトランドセメントよりも細かくし、水との接触面積を増やすことで、水和反応が早く進みやすいようにしたセメントです。また、鉱物組成としては、ケイ酸三カルシウム(C3S)が多く、ケイ酸二カルシウム(C2S)が少ない傾向があります。C3Sは初期強度の発現に関係し、C2Sは長期的な強度発現に関係する成分です。

早強セメントの大きな特徴は、短期間で所要の強度を得やすいことです。普通ポルトランドセメントに比べて、材齢の早い段階で強度が出やすいため、工期短縮を目的としたコンクリートに使用されます。

たとえば、プレストレストコンクリート、寒中コンクリート、早期に型枠を外したい工事、短期間で次工程へ進みたい工事、工場製品などで使用されることがあります。工場製品では、早期に脱型や出荷を行いたい場合に、早強セメントの特徴が活かされます。

一方で、早強セメントは初期の水和反応が進みやすいため、発熱や温度管理に注意が必要な場合があります。部材の大きさや施工条件によっては、水和熱による温度上昇やひび割れに配慮する必要があります。また、気温、養生条件、単位水量、水セメント比、混和剤の使用状況などによって強度発現や施工性が変わるため、適切な配合管理と養生管理が重要です。

生コン工場では、配合計画書や出荷指示に基づき、使用するセメントの種類を正しく管理する必要があります。早強セメントを使用する場合は、普通ポルトランドセメントとは強度発現の傾向が異なるため、呼び強度、スランプ、単位水量、水セメント比、混和剤、運搬時間、施工条件などを踏まえて製造管理を行います。

早強セメントは、早期強度の発現が求められる場面で有効なセメントです。短期間で所定の強度を確保しやすい一方で、温度管理や養生条件の影響も受けるため、用途や施工条件に合わせて適切に使用することが重要です。

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