ヒューム管 (ヒュームカン)

ヒューム管とは、遠心力を利用して成形・締固めを行い製造される鉄筋コンクリート管のことです。正式には「遠心力鉄筋コンクリート管」と呼ばれ、主に下水道管、排水管、雨水管、かんがい用水管などに使用されます。

ヒューム管は、鉄筋を組んだかごを型枠の中に入れ、その型枠を回転させながらコンクリートを投入して製造します。回転によって発生する遠心力により、コンクリートが型枠の内側に押し付けられ、締め固められます。その後、養生を行い、脱型して製品となります。

遠心力によって成形されるため、ヒューム管は形状や寸法の精度を確保しやすく、水密性や外圧に対する強度を高めやすいことが特徴です。地中に埋設して使用されることが多く、土圧や交通荷重などの外力に耐える必要があるため、管としての強度や耐久性が重要になります。

ヒューム管の「ヒューム」は、発明者である Hume 兄弟の名前に由来します。1910年にオーストラリアでヒューム管の製造方法が発明され、その後、日本にも技術が導入されました。日本では、遠心力鉄筋コンクリート管として規格化され、下水道や農業水利などの分野で広く使われてきました。

ヒューム管は、管そのものが構造体として機能する剛性管です。高い外圧強度が求められる場所や、大きな流量を扱う管路、道路下や地中に埋設される排水管などで使用されます。用途や敷設方法、継手部の形状、強度などによって種類が分かれます。

一方で、ヒューム管は鉄筋コンクリート製のため重量があり、施工には重機や適切な搬送・据付作業が必要です。また、使用環境によっては、硫化水素などによるコンクリート腐食、管内の摩耗、継手部の水密性などにも注意する必要があります。

コンクリート製品としてのヒューム管では、使用するコンクリートの品質が重要です。セメント、水、骨材、混和剤の配合、単位水量、水セメント比、練り混ぜ、締固め、養生などが、製品の強度、水密性、耐久性に影響します。

生コン工場やコンクリート製品工場では、配合計画書に基づいて材料を正確に計量し、安定した品質のコンクリートを製造することが求められます。ヒューム管のようなコンクリート製品では、寸法精度や外観だけでなく、強度や水密性を満たすための材料管理・製造管理が重要です。

ヒューム管は、下水道、排水、雨水対策、農業用水など、社会インフラを支えるコンクリート製品です。遠心力成形による高い強度と水密性を持つ一方で、用途や施工条件に応じた製品選定と、安定したコンクリート品質の管理が欠かせません。

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